#9「七転び八起きを越えた映画監督。」テリー・ギリアム

非常識人列伝

世界を動かした非常識人列伝 第9話

テリー・ギリアム(1940年〜)
モンティ・パイソンのメンバーであり、映画監督

映画監督なんて、そのほとんどが普通の人ではありません。自分の人生を生きながら、別の物語を描こうというのですから。その中でもテリー・ギリアムはなかなかの曲者です。なにしろ、イギリスが誇るコメディグループ「モンティ・パイソン」のメンバーでもあります。

いろんなエピソードを持つテリー・ギリアム監督ですが、彼がやっと2018年に完成させた『ドンキホーテを殺した男』の制作過程はまさに天国と地獄の繰り返し、普通の映画監督ならとっくに諦めていたはずの作品です。

なにしろ、この作品が最初に企画されたのは1998年。配役も決まり、準備万端で撮影が始まったとたんに、洪水でセットや機材が破壊されたのです。同時に主役が病気のため降板。映画の企画はいったん中止され、その悲惨な様子はドキュメンタリー映画として発表されたほどです。

しかし、ギリアム監督はあきらめませんでした。なんと完成までの19年間に8回も映画化に挑戦し、その都度失敗を重ねたのです。七転び八起きどころの騒ぎではありませんよね。資金難、役者の病気などなど、数々の困難に見舞われながらも、ギリアム監督は映画化をあきらめずに立ち上がり、2018年のカンヌ映画祭でやっとお披露目することができたのです。北米では2019年に公開予定。日本の公開はまだ未定ですが、こうなると作品の出来不出来ではなくギリアム監督の生き様を見てみたいという気持ちになりますね。


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