#15 「偏見を振り払いながら未来を発見した男」アルベルト・アインシュタイン

非常識人列伝

世界を動かした非常識人列伝 第15話

アルベルト・アインシュタイン(1879年〜1955年)
現代物理学の父

アインシュタインと言えば、あの舌を出して、おどけた表情の写真が有名ですね。でも、物理学の世界では、「現代物理学の父」「20世紀最高の物理学者」と賞賛され、ノーベル賞も受賞している世紀の偉人です。

「特殊相対性理論」「一般相対性理論」「相対性宇宙論」「光量子仮説」など、アインシュタインが現在まで賞賛される研究成果は数多くありますが、その根源となったのは彼が常識にとらわれることなく、自分自身の信じた道を歩いてきたからに他なりません。

実際、アインシュタインは周囲の子どもたちが言葉を話し始めた頃には、ほとんど言葉を話せず、5歳頃にやっと話せるようになったと言います。しかし、数学に関しては幼少の頃から才能を発揮。9歳でピタゴラスの定理を知り、その定理の美しい証明を自力で導き出していたと言います。

自分自身が一般的に、常識的という枠から外れて成長したせいでしょうか。後年、アインシュタインは「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションだ」と語ったと言います。そんな、アインシュタインだったからでしょうか。彼は笑顔の写真を撮られることが苦手でした。あの舌を出している有名な写真も、通信社のカメラマンから「笑ってください」とリクエストされ、危うく笑いそうになって、とっさに舌を出した写真と言われています。しかし、その写真はアインシュタインもお気に入りの1枚となり、1951年度のニューヨーク新聞写真家賞グランプリを受賞しました。

物理学者として順風満帆な人生を送ったアインシュタイン。後悔があるとしたら、自分自身の理論が原爆に利用されたことかもしれません。日本に原爆が落とされたというニュースを聞いたアインシュタインは、「ああ、何ということだ」とつぶやいたと伝えられています。そして、亡くなる前年には「もし、ヒロシマとナガサキのことを予見していたなら、1905年に発見した公式は破棄していただろう」と語ったと言われています。

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