#78「暗殺によって永遠のアイコンとなった政治家」ジョン・F・ケネディ

非常識人列伝

世界を動かした非常識人列伝 第78話

ジョン・F・ケネディ(1917年〜1963年)
アメリカ合衆国第35代大統領

1961年、ジョン・F・ケネディは若干43歳で第35代アメリカ合衆国大統領に就任しました。就任当時の年齢は43歳。アメリカ合衆国の歴史上、選挙で選ばれた大統領としては、もっとも若い大統領でした。ベトナム戦争や公民権運度運高まりなど、国内外の情勢が不安定な中、この若くハンサムな大統領への国民の期待は大きく、現在でもアメリカ人の最も好きな大統領ランキングで上位に入るほどです。

しかし、ケネディの任期が現在でも衰えない最大の理由はおそらく彼が就任後間もなく暗殺されてしまったからではないでしょうか。1963年11月22日、テキサス州ダラスで遊説パレードの最中にケネディは射殺されました。陰謀説などが渦巻き今もこの暗殺事件は謎に満ちていると言われます。そして、若く志半ばのままケネディはアメリカという国の希望のアイコンとなってしまったのです。

戦争の英雄であり、キューバ危機を回避したとされるケネディですが、一方で優柔不断な決断や有名女優たちとの不倫など、光と影の両方が語り伝えられています。しかし、当時緊迫していたキューバ危機を回避したことは歴然とした事実です。もし、キューバ危機に対して、ケネディが間違った判断をしていれば、間違いなくアメリカとソ連は核戦争へ突入していただろうと述べている専門家はたくさんいます。

核戦争を阻止し、翌年にはイギリスとの間に水爆実験の規制を盛り込んだ『部分的核実験禁止条約(PTBT)』を結びました。若くてハンサムなイメージ、テレビ討論で見せた快活な表情、核戦争・核実験の阻止と、ケネディはリベラルなイメージを決定的なものとし、新しいアメリカの新しい希望や可能性を国民に感じさせ、人気絶頂の中でこの世から消え去りました。同時に、彼はアメリカの若き希望の象徴として長く生き続けることになったのです。

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