#100「キング・オブ・ロックンロールと呼ばれた男」エルヴィス・プレスリー

非常識人列伝

世界を動かした非常識人列伝 第100話

エルヴィス・プレスリー(1935年〜1977年)
アメリカのミュージシャン、映画俳優

プレスリーは世界で最も売れたソロアーティストです。レコードやCDの売上はなんと6億枚以上。ギネス記録にも認定されています。では、どうして彼の音楽はこんなにも多くの人々に愛されたのでしょうか。それはプレスリーが黒人の音楽と白人の音楽を融合したからだと言われています。

プレスリーの音楽はジャンルとしてはロックンロールでしたが、彼の歌唱スタイルは黒人音楽であったブルースと、白人の音楽であるカントリーを融合したユニークなものでした。その結果、まだまだマイナーな音楽であったロックンロールは一気にメジャーなステージへと押し上げられていったのです。特に彼の腰を振りながら歌う姿はセクシーだと言われ、若い女性から圧倒的な人気を得ました。彼が腰を振っていたのはあまりの緊張から身体が震え、それを隠すためだったと言われていますが、それがかえってプレスリーの人気に拍車をかけたのです。

そういえば、プレスリーとビートルズは一度だけ会見を果たしています。1965年8月、ロサンゼルスのプレスリー邸を訪れたビートルズのメンバーたち。ジョンとポール、ジョージはこの時、プレスリーと一緒に演奏まで楽しんだといいます。リンゴはドラムが無かったという理由でビリヤードをしていたと言われていますが、マイペースなリンゴらしいエピソードですね。

しかし、この時「君たちのレコードは全部持っているよ」と笑うプレスリーに「僕はあなたのレコードは1枚も持ってないけどね」とジョンが発言したことでその場の空気は一変。のちに過激なジョークだったとジョンは謝罪しましたが、プレスリーはその後、ステージでポールの曲は歌っても、ジョンの曲を歌うことはありませんでした。

自分が一度信用した人は多少難があってもずっと付き合い続ける。その代わり、一度でも信頼を損ねたらちょっと根に持ってしまう。そのあたり、キング・オブ・ロックンロールと呼ばれたプレスリーの子どもっぽさを見たような気がして、より親しみを感じてしまいますね。

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