世界を動かした非常識人列伝275話
マーク・ザッカーバーグ(1984〜)
アメリカの実業家、プログラマー
マーク・ザッカーバーグの名前を知らなくても、『Facebook』というSNSはご存じでしょう。「一日に何度も投稿しているよ」とか「仕事に欠かせないツールだね」という人も多いのではないでしょうか。マーク・ザッカーバーグは、そんな『Facebook』を立ち上げたプログラマーであり実業家です。
ザッカーバーグはユダヤ人の家庭に育ちました。高校時代にはフェンシングに熱中していたそうです。また、新型コロナ禍では、自宅で充実にはまり、大会にも出場して優勝していることから、プログラマーでありながらスポーツマンでもあるようです。
ザッカーバーグがプログラマーとして能力を発揮し始めたのは高校時代。高校在学中の2003年には音楽再生用フリーソフトウェア「Synapse Media Player」を友人と共に制作し、サービスを開始しました。このソフトは利用者が聞いた曲の履歴を元に、次に聞く曲目を予測するという機能があり、これが高く評価されました。この機能は当時マイクロソフトを始めとするいくつかの会社が注目。高校時代からザッカーバーグは名前を知られる存在となりました。
そして、ハーバード大学時代につくったのが「Facebook」の元になった「Facemash」でした。このサイトは、ハーバード大学のなかの学生たちの写真を掲載し、格付けしていくというサイトでした。このサイトは、同じ大学内とは言え、学生たちの情報を公開していた上、女子学生たちの写真を掲載した上、ランク付けするというものでした。このサイトを制作する過程は、ザッカーバーグの半生を描いた映画『ソーシャルネットワーク』でも触れられていますが、女性にもてなかったザッカーバーグが腹いせにつくったサイトだったそうです。
もともとは、ザッカーバーグのコンプレックスから生まれたサイトですが、このサイトは大学のネットワークセキュリティを破ったモノだったことから、処罰対象になってしまいます。しかし、ザッカーバーグはすべての情報は自由に使われるべきだと主張し、現在のSNSサイト「Facebook」を立ち上げたのです。そう考えると、ザッカーバーグのビジネスは、「社会をつなげたい」という願いと「情報を共有する」という希望をどこまで実現できるのかという戦いを前提にしたものだったのかもしれません。どちらにしても、自分自身のコンプレックスを、世界中の29億人以上の人々が利用するビジネスにしたザッカーバーグが、これからどんなサービスを提供していくのかが楽しみですね。