世界を動かした非常識人列伝281話
関孝和(生年不詳〜1708)
江戸時代前期の数学者
関孝和は江戸時代前期、5代将軍徳川綱吉が天下を治めていた頃に数学者として大きな功績を残しました。その功績は同時代に生きたニュートン、ライプニッツと並び称され、世界三大数学者と呼ばれるほどです。関がこれほど高く評価されているのは微積分の創始者として。しかも、当時の日本は鎖国状態で、唯一国交があったオランダを経由して微積分が伝わったという形跡もありません。つまり、関は独自の発想と研究によって微積分のレベルにまで数学の研究を進めていたのです。
微積分の功績は知られていますが、関孝和という人物についてはあまり知られていません。唯一、残した著作は『発微算法』だと言われています。それ以外にも著作として多数の本が遺されているのですが、没後に弟子たちが完成させたものや、弟子が関からの伝聞をまとめたものだったりするようです。
自身の著作、弟子たちが伝聞した著作から読み取ると、関がそれまでの日本の数学を大きく変化させたことがわかるそうです。もっとも大きな改革は、中国から伝わった計算法に改良を加え、未知数が複数の場合も1つの式で表現できるようにしたこと。これによって、日本の算術は数式表現がとてもシンプルになり、答えを導き出しやすくしたと言われています。