真空にヒントあり#1 台風の目を知れば真空がわかる?

真空にヒントあり
第1話「台風の目を知れば真空がわかる?」

真空という言葉は誰だって一度は聞いたことがありますよね。だけど、「真空って何?」と聞かれると、どう答えていいのかわからない。そんな感じじゃないでしょうか?

そんなとき、思い浮かべて欲しいのが台風の目。ほら、大型の台風がやってきて、天気図では今自分がいる真上にいるはずなのに、空は晴れて真っ青になっている、というアレです。

私たちが住む地球の大気圧は標準で1013.25ヘクトパスカル(少し細かい数字でごめんなさい)。そして、台風がやってきて、大きな空気の渦ができると、その真ん中は大気が上空に吸い上げられてしまって、だいたい950ヘクトパスカルくらいになります。つまり、大気圧よりも圧力の低い空間が生まれるのです。

真空とは、大気圧よりも圧力の低い空間と定義されていますので、この台風の目も真空が引き起こした現象と言えるのです。台風だと規模が大きすぎてイメージしにくいですか? では、子どもの頃よく見たつむじ風はどうでしょう。小学校の校庭で落ち葉や砂を巻き上げながら進んでいくつむじ風。あの現象も気圧の差によって真空状態が生まれ、落ち葉や砂が吸い込まれている、というわけです。

これから、台風がやってきたときには「おお、自然の巨大な真空装置が働いているなあ」と感心してください。そして、台風の目を見る機会があれば、「運良く、真空状態を見上げているんだぞ」なんて喜んでください。 もちろん、危険を伴わないように、自己責任でお願いしますね。

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