美しい女性の口元を飾る口紅。実は、口紅の製造にも真空が貢献しているのです。「えっ？口紅に真空？」と驚かれるかもしれませんね。口紅だけじゃなく、たとえば、羊羹（ようかん）の製造にも真空は利用されています。
口紅や羊羹はどうやって作るのでしょう。材料を混ぜて作るというのは想像に難くありません。でも、出来上がった口紅や羊羹の中に空気の泡が入っていたらどうでしょう。口紅はスムーズに塗れないかもしれませんし、塗りむらが出来てしまうかもしれません。また、羊羹だと、食いしん坊が「空気が入っていて損をした！」とがっかりするかもしれませんね。
そんな時、真空脱泡装置の登場です。密閉した容器のなかに原料となる液体を入れ、撹拌機で混ぜながら、容器の中を真空ポンプで排気します。すると液体に混ざっていた空気がふくらみ、液体上面に上がってきて、破裂！ここで出てきた空気をまた真空ポンプで排気する。これをくり返すことで、製品の中の泡がなくなり、密度の高いモノが出来るというわけなのです。 この技術、医薬、電子、食品、化粧品、工業用品などなど、様々な分野に応用されているそうです。