真空にヒントあり#7 「真空はいつ生まれたのでしょうか?」

真空にヒントあり

みなさん。真空のお時間です。今日はいつもと違って、「真空はいつ生まれたのか?」というお話。いつ生まれたのか、と言っても真空そのものが突然姿を現したわけではないので、真空という概念がいつ見つけられたのか、というお話です。

これが実はとても古い。紀元前400年頃にデモクリトスという人が、「真に存在するのは不生、不滅、不変化の原子(アトモス)と空虚な空間(ケノン)のみであり、無限空間の中に膨大な量の微細な原子が常に運動している」と言いました。空虚な空間という言葉で真空の概念を表し、同時に原子という概念も表したそうです。すごいですね。飛行機も何もない空の下、こんなことを考えた人がいるんです。

そこから、時を経て17世紀になると水圧計が発明され、1648年にはパスカルが水銀気圧計をピュイ・ド・ドームの山頂に持ち込み、山の高さで気圧が変わることを証明。大気圧と真空の概念を明確なものにしたと言われています。この山はミネラルウォーターのパッケージにも印刷されている有名な山ですね。

飛行機に乗って耳が痛くなったり、真空掃除機を使ったり、宇宙服を着て活躍する宇宙飛行士をテレビで眺めながら、人々が真空という何もない空間を想像もしなかった時代から、真空を人工的に作り出して様々に利用するようになるまでの長い時間に、思いを馳せてみるのもいいですね。

第7話「真空はいつ生まれたのでしょうか?」
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