真空にヒントあり#8 「新鮮な野菜は真空で運ぶのだ!」

真空にヒントあり

みなさんは、スーパーマーケットなどに並んでいる野菜がどのように運ばれているかご存じですか?

産地から野菜を運ぶにはトラックに積んで、高速道路を走って市場に到着。そこから近隣の小売店に運ばれています。つまり、私たちの手元に届くには早くても半日くらいの時間がかかっているということになります。でも、野菜は常温で半日も放置しておくと葉先がしおれてきてしまいますよね。

そこで、登場するのが野菜急速冷却装置です。郊外の農家では、比較的気温の低い朝方に刈り取りをして、段ボールに詰めてJAの集荷場に運んでいます。ここで段ボールのまま野菜を数十〜数百個まとめて急速冷却装置で冷却。野菜を新鮮な状態で運ぶことが可能になったのです。

冷却の仕組みは、こうです。装置内が真空ポンプによって減圧。すると、野菜の葉の間の空気や水蒸気までがすべて排出されます。こうなると、野菜の葉の裏側にある気孔(呼吸する穴)からも水分が蒸発。その時に野菜は熱を奪われ、温度が下がっていきます。そして、0℃近くまで冷えると野菜が仮死状態になり、葉先がしおれたりすることはなくなるのです。この後、冷凍機で冷した空気を装置内に入れ、大気中に取り出します。

こうして、野菜は新鮮な状態を保つことが可能になり、スーパーマーケットなどで私たちが新鮮なまま手にすることが出来るようになったのです。

第8話「新鮮な野菜は真空で運ぶのだ!」
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