真空にヒントあり#19 「真空の壁で、冷蔵庫はコンパクトに進化した!」

真空にヒントあり

家庭用の冷蔵庫は次第に収容量が大きくなり、大型のものが増えてきました。でも、現在の冷蔵庫と昔の冷蔵庫を比べると、同じ収容量でもサイズはかなりコンパクトになっているはずです。様々な技術の改良がサイズダウンの要因となっていますが、その中でも庫壁が薄くなったことが大きく貢献しています。

昔の冷蔵庫は断熱材として硬質ウレタンフォームを使用していました。これは厚さが60ミリほどもあったのです。ところが現在、断熱材として使用されているのは真空断熱材。厚さも半分以下のたった20ミリ程になりました。

断熱材の構造を詳細に説明すると長くなるのですが、簡単に説明すると、断熱性に優れたガラス質の繊維材料等を積層させて固めた断熱材を、アルミコーティングしたプラスティックフィルムに包んで、内部の空気を抜いて真空にして封じたものです。要するに真空を閉じ込めた断熱材を使用しているということですね。

こうして作られた真空断熱材は、熱の伝導率がウレタンフォームに比べて10分の1〜3程度。薄い真空断熱材が数多く開発されるようになり、その応用範囲は広がっています。真空技術は省エネの時代をしっかりと支えているのです。

第19話「真空の壁で、冷蔵庫はコンパクトに進化した!」
タイトルとURLをコピーしました