家庭用の照明と言えば、蛍光灯。そんな時代が長らく続いていましたが、蛍光灯のなかには環境に有害な水銀などが使われているため、より寿命が長く、環境にも優しいLED照明が次世代の照明として注目されてきています。実際に商業施設などでは、新たに設置される照明がLEDに置き換わってきており、各自治体も積極的にLEDへの転換を推進しています。
フィラメントに電気を通して発光させる白熱灯や、電極から放出された電子が水銀ガスとぶつかることで発光源となる紫外線を発生させる蛍光灯。これまで広く使われてきた照明は、内部を真空状態にすることで、真空の特性を利用してきました。
では、LEDはどうでしょうか。実は、LEDも真空技術なしでは成り立たないのです。そもそもLED照明とはなにか?簡単に説明すると、発光ダイオードと呼ばれる半導体に電気を流して発光させる仕組みのものです。実はこの半導体をつくる工程のほとんどが、真空中で行われています。
登場した当初は、価格が高い、色味が冷たい、調光ができないなどのデメリットが数多く伝えられていたLED照明ですが、次第にこれまで使っていた蛍光灯などと遜色のない製品が登場し、いまでは家電量販店に行くと照明器具はLEDが中心です。
時代はLEDへと移っても、まだまだ真空と照明の密接な関係は続くようですね。