#34 「ネオンサインと真空の美しい関係」

真空にヒントあり

ネオンサインを知っていますか?最近は少なくなってきましたが、いまでも商店街や歓楽街へ行くとまだまだ目にすることがあります。ほら、商業施設や飲食店の入口に様々な色で美しく光り輝き、施設名や店舗名などを知らせてくれる、あれです。古い歌の歌詞にも「ネオンサインに誘われて~」なんて一節も登場したり、夜の大人のお店の代名詞のような存在でした。

さて、華やかな光を放つこのネオンサイン。真空技術とどう関りがあるのでしょうか。

まず、ネオンサインはよく見てみると、1本のガラス管で出来ています。このガラス管を一筆書きのような要領で文字のカタチにして、光らせるという仕組みです。

ガラス管の両端には電極が封じ込められており、空気を吸い出すための枝管が付いています。その枝管部分から、真空ポンプで空気を排気し、真空状態になった管内にネオンガスを充填し、封止します。電極に電圧をかけると、色鮮やかな光を放つようになります。これは「真空放電」と呼ばれる現象です。

空気は赤紫、ネオンガスは濃いオレンジ、水素ガスはピンク、ヘリウムは黄色など、ガスの種類によって光の色は様々に変化し、街を彩るアクセントとして活躍してきました。

LEDの台頭などによって、姿を消しつつあるネオンサイン。ふと、どこかの街角で見かけたときには、そこにも真空が関わっているのだということをぜひ思い出してみてください。

第34話「ネオンサインと真空の美しい関係」
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