#42 「X線写真は高度な真空が支えている」

真空にヒントあり

健康診断などで、X線写真を撮った経験はありますよね。X線写真のことをレントゲン写真とも言いますが、どちらも同じものです。X線とは波長が1pm(ピコメートル)から10nm(ナノメートル)程度の電磁波のこと。そして、この電磁波を発見したのがレントゲン博士というわけです。

X線は放射線の一種。いまから100年以上も前に、実験中のレントゲン博士は目に見えない不思議な光があることに気付きます。博士の奥さんが手をかざすと、骨と指輪だけの写真が撮れたそうです。つまり、身体を傷つけなくても中の様子が解るX線がこのときに発見されたのです。ちなみに、X線のXには「未知の」という意味が込められているそうです。

以来、X線写真は医療の現場では必要不可欠な技術として使われ続けています。骨が折れていないかどうか。身体の中に悪いものがないかどうか。そんな時にはまずX線写真で確認するという医療行為はいまでは当たり前に行われています。

さて、このX線はX線管という管の中を通って照射されますが、このX線管の中は非常に高度な真空となっています。この真空のレベルが悪いとX線が発生しないのです。少し大げさに言うと、人類の健康を真空が支えているわけです。これは声を大にして自慢してもいいお話ですよね。

第42話「X線写真は高度な真空が支えている 」
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