#45 「MRI検査は人体の奥深くを調査する」

真空にヒントあり

2人に1人がガンになると言われている現代。悪性腫瘍の早期発見、早期治療がますます重要になってきています。そして、腫瘍の発見に力を発揮しているのがMRIによる検査です。MRIはMagnetic Resonance Imagingを略した呼び名で、日本語では核磁気共鳴画像法と言われています。

まず、大きな円形の診断装置の中に患者を入れます。そして、患者の身体に平行で強力な磁力線を流します。この磁力線は超電導コイルから発生させたもの。超電導コイルは-269℃という極低温でしか発生できません。そこで、患者を極低温から守るために、徹底的な断熱を行っています。その断熱に必要なのが真空。超電導コイルの外部を真空にして、真空断熱で保温します。魔法瓶の断熱と同じですね。このように一見、どこに真空が使われているんだろう、と思うようなところでも真空は重要な役割を果たしています。

これから先、様々な技術開発が様々な分野で行われていくはずですが、真空が果たす役割はどんどん広がっていくはず。真空技術なくして技術革新はないと言っても過言ではありません。特に急激な高齢化社会に突入した先進国では、MRIだけではなく幅広い医療の分野で真空技術が必要とされています。

第45話「MRI検査は人体の奥深くを調査する」
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