#52 「シロアリは真空技術で住まいに近づけません。」

真空にヒントあり

大切な住まいを建てたら、今度はそのメンテナンスが気になります。例えば、シロアリなどの害虫が発生してしまったら大変。そのために最近では住宅建設に使用する木材に、最初から防腐剤を注入するという技術が普及しています。

まず、木材を真空乾燥させます。5000〜8000パスカル程度の真空にすると、水の沸点は30℃〜40℃くらいになります。ということは低温で乾燥することができますね。こうして充分に真空乾燥した木材はタンクに入れられ、ここで防腐防蟻薬剤を真空含浸します。しっかり乾燥を行うことで、効果的な含浸処理を行うことができるのです。

ちなみにですが、針葉樹系の木材は、内部の細胞構造が堅牢にできています。通常の真空乾燥では充分に乾燥することができません。そのため真空乾燥させる容器内を加圧し、瞬時に高圧を解放するということをくり返して、細胞壁を破壊して、木材内部の透過性を改善させるのです。その後で、一気に真空にして高周波加熱することで均一な乾燥が実現するのです。

こんな真空技術がもっともっと普及していけば、未来の住宅はシロアリのことなんて気にせずいつまでも美しいままですね。


第52話「シロアリは真空技術で住まいに近づけません。」
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