#56 「真空が引き出すお米のうまさ!」

真空にヒントあり

日本の主食といえばご飯です。つまり、日本の家電メーカーにとっておいしいご飯の炊ける炊飯器の開発は、プライドをかけた課題。高度経済成長期の「三種の神器」と言われた昔から、メーカーは日々炊飯技術を磨いてきたのです。

そんな中で真空炊飯器が登場したのは2006年。当時、圧力釜が注目を集めている時期でしたが、圧力釜にもウィークポイントがありました。それは圧力釜であっても、炊く前に米がしっかりと水を吸収していないと芯まで柔らかくならない、ということでした。そこで、水の吸引を促すために真空技術が導入されたのです。

炊飯器のなかの空気を抜いて真空にして、米の中の空気を抜きます。そこで真空をやめると米が水を吸引してたっぷり水分を含んだご飯が炊けるという仕組みです。これを一度ではなく何度か繰り返すことで、ご飯を柔らかくするだけではなく、米のうま味を米の周囲にまとわせるといった付加価値をつけることにも成功。おいしいご飯が炊ける炊飯器開発の執念が、真空という技術をおいしさの側に引き寄せたのかもしれません。

第56話「真空が引き出すお米のうまさ!」

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