#64 「デジタルサイネージの流行と真空の意外な関係。」

真空にヒントあり

デジタルサイネージという言葉はもう一般的になりましたね。駅などに設置された薄型のディスプレイです。いままでポスターなどが貼られていた場所に、いつの間にかディスプレイが設置されて、動画などが表示されるようになりました。

デジタルサイネージは実は大きな経済効果を生んでいます。なにしろ、今まで1社の1製品のポスターしか貼れなかった場所に、秒数を設定さえすれば数多くの広告を表示することが出来るようになったのです。CMのように動画を用意したり、複数のクライアントと契約したりすることで、ひとつの場所が多くのお金を生むようになったと言われています。

デジタルサイネージのディスプレイにはLEDビジョンと液晶ディスプレイがあります。液晶ディスプレイは家庭用テレビにも使用されているように高画質で自然な色の表現が可能です。しかし、LEDビジョンに比べると輝度が低いというデメリットがあります。つまり、屋外などに設置すると見えにくくなってしまうのです。そこで、デジタルサイネージも駅舎内など太陽光が差し込まない場所では液晶ディスプレイ、屋外ではLEDビジョンというふうに使い分けられています。ビル壁面などの大型のものはほとんどがLEDビジョンです。

LEDも液晶もディスプレイを製造する際には、真空技術が欠かせません。液晶ディスプレイは2枚のガラスを併せてできています。1枚のガラスの内側に真空成膜技術を使って液晶素子を形成し、もう1枚にはカラーフィルターを形成します。さらに、この2枚のガラスの間に液晶という液体を真空中で封入するのです。LEDの発光部も数種類の半導体材料を真空中で積層させていきます。真空技術が液晶ディスプレイやLEDビジョンを生み出し、それがデジタルサイネージという新しいPR活動の発展に貢献しているというわけです。

64 「デジタルサイネージの流行と真空の意外な関係。」
タイトルとURLをコピーしました