#73 「高品質な陶器作りは、土の中の空気を抜くところから。」

真空にヒントあり

先日放送された朝の連続ドラマでも注目された陶芸品。その制作過程で重要なのは、良質の土の獲得と、焼くときの火の管理にあるということが繰り返し紹介されていました。良質の土とはいわゆる粘土のことですが、粘土もただいいものを手に入れるだけではダメなのです。大切なことは、この粘土を丁寧に力強くこねて、作品に最適なものに仕上げていくこと。実はこの過程で粘土の中から空気を抜いていくことで、品質の高い丈夫な陶器が出来上がるのです。

陶器の中でも特に丈夫さが求められるのは瓦です。日本の瓦の三大産地をご存じですか? 三州瓦 (愛知県三河地方)、 石州瓦 (せきしゅうがわら・島根県石見地方)、 淡路瓦 (兵庫県淡路島)です。その中の石州瓦を例にとると、この瓦は1200℃以上の高温で焼成された陶器瓦だそうです。そして、石州瓦は年月が経っても劣化することがあまりなく大切な屋根を守るには最適だと言われています。

さて、この石舟瓦を始め、瓦や陶芸品を作るための粘土。この粘土を作るために、最近では真空土錬成機というマシンが使われています。このマシンを使えば、粘土から不純な固形物や空気などを取り除き、適度な水分を与えながら練り上げてくれます。真空技術が日本のものづくりを支えているのですね。

73 「高品質な陶器作りは、土の中の空気を抜くところから。」
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