#77「ドリルの歯も放っておくとボロボロです。」

真空にヒントあり

ドリルはスマホや家電製品、自動車、航空機、さまざまな機械の加工には欠かせない工具です。そんなドリルの重要な部分はなんだと思いますか? 切れ味? もちろん、切れ味は大事ですね。でも、いくら切れ味のいいドリルでも、あっと言う間に歯がボロボロになってしまったのでは役に立ちません。

世の中に求められているのは、切れ味鋭く、そして、長い間活躍してくれる耐久性のいいドリルなのです。自動車の部品加工に用いられるドリルなど、超硬部品はイオンプレーディングによって耐久性を高めています。対象物のある空間を真空状態にして、対象物を守る素材を蒸着するわけですが、イオンプレーディングの場合は、金属蒸気をイオン化させることで、通常の真空蒸着よりも成膜速度が高く、緻密な膜を作ることが出来るのです。

酷使するとボロボロになってしまうドリルの歯も、この進化した真空技術、イオンプレーティングで加工すれば耐久性が向上し、さらに溝の潤滑な流れを生み出すことで熱を抑えられるため、長く使うことがます。この技術はドリルの他にも、その耐摩耗性が評価されて活用されています。例えば、自動車のエンジン内部の躍動するピストン周りの部品にも一役買っているというわけですね。

77「ドリルの歯も放っておくとボロボロです。」
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