SF映画を見ていると、こんなシーンが出てきます。乗組員同士で仲違いが発生し、誰かが誰かを陥れるために、宇宙服に細工をしてしまう。そして、宇宙空間に出た乗組員が瀕死の重傷を負ってしまう。
こんな場面を見る度に思うのです。本当に宇宙旅行が実現したとして、万が一、生身の状態で宇宙空間に放り出されたらどうなるんだろう、と。一瞬のうちに死んでしまうのか。だとすると、どんな状態になってしまうのか。「血液が沸騰して死んでしまう」「身体が凍り付いてしまう」など、いろんな想像が働いてしまいますが、アメリカのNASAはこんな見解を出しています。
NASA曰く「生身で宇宙空間に出ても30秒ほどなら後遺症は残らないだろう」。しかし、もし息を止めると、肺が損傷する可能性があるそうです。でも、30秒ほどなら身体は破裂しないし、血液も沸騰しない、凍結もしない。ただし、1分から2分後に酸素の欠乏で死ぬのではないかとの見解を出しています。
これまで、宇宙空間に生身で放り出されたという事故はありませんが、宇宙服のテスト中に真空状態になってしまった人はいたそうです。その時は十秒程度で意識を失ったという記録があります。そして、本人は意識を失う直前、自分の舌の水分が沸騰し始めているということを記憶していたそうです。
もし、将来、宇宙旅行をするチャンスに恵まれたとしても、宇宙空間に宇宙服も着けずに飛び出すなんて無謀なことはしないでくださいね。
