#84「インクジェットプリンタのインクの大敵は?」

真空にヒントあり

みなさんのご家庭にはパソコンのプリンタはありますか? 以前はパソコンを購入するときには必ずプリンタも、という人が多かったのですが、最近はプリンタは購入しないという人が増えたようです。環境問題で「紙はなるべくつかわない」という風潮もあり、さらにみんながノートPCやタブレット端末、スマートホンなどで書類を見るようになったので、わざわざプリントする必要がなくなったのかもしれません。

それでも、大切な写真を印刷して飾ったり、書類を郵送したりすることも多く、そんな時にはまだまだプリンタが活躍しています。もちろん、産業用としてはニーズが高く商品パッケージなどは家庭用と同じくインクジェット方式のプリンタが必要不可欠な存在です。

インクジェットプリンタは、プリンタ内に収納されたインクタンクに装備された噴出部からインクを飛び出させて印刷する方式です。実はこのインク、中に気泡があると印刷ができなくなってしまいます。インクはヒータで加熱し、体積を膨張させることで飛び出します。しかし、インクの中に気泡があると、加熱された時に膨張したインクを気泡が吸収してしまいインクが出なくなってしまうのです。

そこで脱泡という工程が必要になります。気体は通すが液体は通さない網目上のパイプを想像して下さい。そのパイプの外側をインクが通る工程で、パイプの中を真空にすれば、気泡だけがパイプの中に入り、除去される仕組みです。

つまり、インクジェットプリンタを大敵の気泡から守るっているのは真空技術なのです。

84「インクジェットプリンタのインクの大敵は?」
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