#85「蛍光灯よ、120年間お疲れさまでした!」

真空にヒントあり

従来の電球がLEDに置き換わっていく時代の中で、蛍光灯もまたその姿をどんどん消し去りつつあります。長い間、多くの人々の暮らしを照らし続けてきた蛍光灯。昔は、ちょっとぼんやりしていると先生から「お前は蛍光灯か」なんて叱られたりしたものです。

しかし、この蛍光灯が世の中から姿を消しつつあるのは、LEDより寿命が短いという理由だけではありません。実は蛍光灯の中には人体や自然に有害な水銀が充填されているのです。蛍光灯はガラスでできているのですが、このガラス管の中はアルゴンガスと微量の水銀を充填され低真空に保たれています。そして両端にフィラメント兼放電電極があり、放電すると電極から電子が飛び出し水銀原子と衝突して光が発生するのです。

電球に比べ、寿命が長い、消費電力が低いということで長く愛用されてきた蛍光灯ですが、水銀が有害物質ということになると残念ながら消えゆく運命ということになります。120年近い歴史を刻んできた蛍光灯。まだ、見かけることもあると思いますので、もし見かけたら心の中でそっと「お疲れさまでした」と感謝の気持ちでその灯りを見つめてあげてください。

85「蛍光灯よ、120年間お疲れさまでした!」
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