#87「飛行機のトイレで生死をさまようってホント?」

真空にヒントあり

鉄道や飛行機のトイレを利用した人は多いと思います。ちょっと下品なお話になりますが、もともとは、大空や線路に排泄物を垂れ流すという方式でした。鉄道の場合は細かく線路上にばらまかれるだけですし、飛行機の場合は遙か上空で広範囲に拡散するので大騒ぎになることはありません。

しかし、さすがに衛生面を考えると放置するわけにはいかないということで、その後、水洗式となり、現在では真空式となりました。水洗式はみなさんのご自宅でも使われている方式ですが、交通機関に使用するとなると、大量の水を運び入れる必要があります。こうなるとタンクが大きくなり、燃料費がかさんでしまうのです。そこで、水を少量しか使わない真空式が主流になりました。

便器と排泄物を貯めるタンクがシャッターで区切られていて、タンク側をエジェクターという真空発生装置で真空にします。用を足して、ボタンを押し、シャッターを開くと排泄物が瞬時に吸引されるのです。

ただ、この構造になってから都市伝説のように語られているのが、便器に座ったままボタンを押してしまい、お尻が引き込まれてしまったというお話。密封状態でお尻が裂けたとか、内臓が飛び出したとか。まことしやかに伝えられているのですが、様々な記録によると死には至らなかったけれど、実際に事故は起きていたようです。

もしかしたら、当時はO型の便座が多かったせいかもしれません。現在はそんなことにならないようにU型の便座を採用。安心して用が足せるようになりました。

87「飛行機のトイレで生死をさまようってホント?」
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