#90「真空がなければ電車に乗れないよ、という話」

真空にヒントあり

Suicaや銀行のキャッシュカードなど、私たちが日ごろ使っているICカード。実はICカードには接触型と非接触型の2種類があります。接触型というのは銀行のキャッシュカードのように金色の接触端子が付いているカード。非接触型というのはSuicaなどの交通系カードのようにセンサーにかざすだけで情報を読み取ることができるカードです。

どちらのカードもICチップが埋め込まれていますが、そのICチップの製作工程で成膜やエッチングなど真空技術が駆使されています。カードに埋め込まれるわけですから、当然薄くしなければなりませんね。そこでウエハの厚みを0.6mmから0.05~0.1mmまで機械的・化学的な研磨で極薄に仕上げているのです。

もし、よろしければいま手元にあるICカードを1枚取り出してみてください。そのカードは接触型ですか?それとも非接触型ですか? また、そのカードがなかったとしたらどんな不具合が起こりますか? 電車に乗れなくなってしまったり、お金が引き出せなくなってしまったりしませんか? ほら、たった1枚のICカードを眺めているだけでも、真空技術がどれだけ日々の暮らしを支えているのか、ということが見えてきますね。

90「真空がなければ電車に乗れないよ、という話」

タイトルとURLをコピーしました