#95「生命の神秘を探るための真空」

真空にヒントあり

生き物の命は永遠ではありません。命あるものいつかはこの世からいなくなってしまう。でも、だからこそ、博物館などでは希少価値のある生き物を剥製などにして、人々に伝えていかなくてはなりません。そこで、自然界や動物園などでなくなった生き物を剥製にするという技術が発達してきました。

もともとは生き物の皮だけを使って生きていたころの姿を再現していたのですが、その場合は骨格などを人の手で再現する必要があり、製作するのに特殊な技術と、長い期間が必要でした。そこで真空技術の登場です。現在ではフリーズドライで簡単に剥製を作ることができます。この方法は特に小さな動物に有効です。亡くなった動物をフレームで支えて生前の姿を維持しながら、真空状態で乾燥させるという方法。外皮だけを使うという従来の方法とは違いますが、すでに欧米や日本では普及しつつあります。

極低温と真空を組み合わせて作る、新しい保存方法。真空は世の中を便利にしたり、スピーディーにしたりするだけではなく、学術的にも大きな貢献を果たしています。

95「生命の神秘を探るための真空」

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