毎日の生活に欠かすことのできない交通機関。その中でも電車は通勤や通学の主要な輸送機関として人々の暮らしを支えています。電車のメリットはなんと言っても時間に正確なことと一度に多くの物や人を運ぶことができる、ということ。しかし、そのためには力強いエネルギーが必要になります。
電車は言うまでもなく電気で走ります。直流で給電し、交流で走る電車の心臓部は半導体で制御されています。新幹線や通勤電車の制御はパワーデバイスという半導体素子で制御されているのですが、このパワーデバイスは電車だけではなく電力、自動車、家電など、様々な産業に用いられています。
パワーデバイスを活用することの最大の利点は電圧を細かく制御できることにあります。つまり、パワーデバイスを用いることで、電車は電動機騒音や乗り心地を改善することができ、同時に大きな省エネを果たすことが可能となったのです。そして、このコラムをお読みになっているあなたなら、そんなパワーデバイス＝半導体を生産するために真空技術が大きな役割を果たしていることはご存じですね。真空中でスパッタリングやCVD等により膜を付けたり削ったりしながら、パワーデバイスは作られているのです。
