#107「真空でも死なない虫がいるって、ほんとう?」

真空にヒントあり

突然ですが、虫は好きですか? あ、全然大丈夫です、という人もいるとは思いますが、ほとんどの人は「いやあ、ちょっと苦手だな」とか「絶対にイヤ」という感じではないでしょうか。特に目に見えないような虫はアレルギーを引き起こしたりするから厄介です。

さて、そんな虫たちもさすがに空気がない真空の世界では生きてはいけないだろう、と思っていませんか? 実は真空でも生きることができる虫がいるのです。それがキチマダニというダニの仲間。このダニは犬などの動物につくもので人間の血を吸うことはあまりないそうですが、それでもやっぱり気持ち悪いですよね。しかも、真空でも生きられるなんて! 

このダニが真空でも生きていけることを見つけたのは生命化学や先端医療を研究している研究所の先生です。実はダニの研究をしていたのではなく、生物を電子顕微鏡で観察することはできないかという実験の途中でキチマダニが真空で生きていることを発見したそうです。

病気の細胞や新しい虫が見つかると、必ず電子顕微鏡での観察が必要になります。この電子顕微鏡は真空中で対象物に電子線を飛ばして得た情報で、対象物を画像化するという装置です。しかし、虫は真空にすると虫は死んでしまいます。でも、死ななかったのがキチマダニでした。本来の目的以外の事実が分かったわけですが、それがYouTubeで拡散され世界中から興味ある情報が集まってきたのだそうです。

誰かが見つけた事実が、他の誰かの手によって新しい成果へとつながっていく。ネットでつながれた世界ならではの現象かもしれません。

107「真空でも死なない虫がいるって、ほんとう?」

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