#109「窓ガラスを一瞬にして曇りガラスにするマジック」

真空にヒントあり

あなたのオフィスの窓は透明ですか。それとも曇りガラスですか。普段仕事をしているときは、透明なガラスの方が日の光が差し込んで気持ちがいいですよね。でも、重要な会議の時には外部に見せてはいけない資料もあって曇りガラスの方がいいな、という時もあるかもしれません。そんなニーズに応えるために開発されたのが瞬間調光ガラスです。

この瞬間調光ガラスは液晶パネルの技術を転用したものです。まず、2枚のPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルムのそれぞれ片面に透明電極膜を真空中で形成します。そして、その膜を内側にしてフィルム2枚の間に液晶を充填して密閉。電極に通電すると、液晶の分子の方向が一定に揃うため、光が通過します。逆に通電しないと、液晶の分子が揃わないために光が通らず曇りガラス状になるのです。

この瞬間調光ガラスはいろんな使い方ができます。最初にお話した通り、曇りガラスにして目隠しの役割を果たすこともできます。また、半透明になることでプロジェクター用のスクリーンとしても使用できるのです。会議室のガラスが瞬間調光ガラスだと、いろいろ利便性が上がりそうですね。まだまだ用途が広がりそうな技術なので、みなさんもいいアイデアがあればお知らせください。

109「窓ガラスを一瞬にして曇りガラスにするマジック」
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