#123「サーフボードは真空で進化している」

真空にヒントあり

サーフィンがオリンピックの正式種目になって、注目度があがっています。東京2020大会でも、メダルラッシュとなりました。さて、サーフボードって何でできているか知ってますか? もともとは木の幹や皮などで作られていましたが、現在ではほとんどがプラスチック素材でできています。他には強度が強く軽量なカーボン素材もよく使われているようです。

様々な素材を使うサーフボードですが、作り方は原則同じです。まずは芯材の周囲をファイバーグラスやカーボンファイバーなどの素材で被い、これを最終の型にします。この型を真空バッグで覆い、密閉された空間を作ります。そして、この空間に2つの開口部を作り、1つの開口部から真空ポンプで内部の空気を排出させ、もう一方の開口部から液体樹脂を注入するのです。こうすると、型の内部にファイバーの樹脂を充填できることができ、しかもファイバー間の隙間にも完全に浸透させることができるのです。

この真空樹脂注入技術は他にも多様されています。軽量で強いという矛盾する二つの特徴を実現しなければいけないもの、例えば、風力発電所の回転翼やヨットの船体、飛行機やグライダーの機体などなど、他にも様々な用途に大人気の真空技術なのです。

123「サーフボードは真空で進化している」
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