#129「メールも電話もWEBも真空を通して見ています」

真空にヒントあり

せっかく真空に関するコラムを読んでいただくのだから、季節感のあるお話を書きたいな、と思っているのですが、ふと気付きました。おそらくほとんどの方がスマートフォンでご覧になっているということに。ということは四季を通じてみなさんは真空の恩恵を受けながらこのコラムを読んでいる事になるのです。

どういうことなのかというと、いまみなさんが見ているスマホの画面は一番上のカバーガラス、液晶パネル、光学フィルム、拡散板、導光板とLED、反射シート、感圧センサー、金属板で構成されているのですが、実はこれらの部品の半分は真空蒸着装置で表面に反射防止膜を形成しています。この部分に反射防止膜を形成しないとどうなるか? なんと画面が暗くなって画像が見えなくなるのです。そう、つまり真空技術があって初めて、みなさんはこのコラムを読み、メールをチェックし、天気を確認し、ゲームをし、電子書籍を読み、写真を撮っているのです。

ちなみに、以前にもご紹介しましたが、スマホのカメラのレンズは10枚ほどのレンズが重なっていますが、そのすべてのレンズの裏表に真空蒸着で反射防止膜が形成されています。液晶画面に写っている写真そのものも、真空で形成された反射防止膜によって光が反射してしまうことを防いでいます。

真空技術のすごさは、いちいち「ここに真空が!」と指摘していられないほど様々な部分に使われ過ぎていることなのかもしれませんね。

129「メールも電話もWEBも真空を通して見ています」
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