#154「豚まんのおいしさを届けているものの正体は?」

真空にヒントあり

大阪で肉と言えば牛肉。ですから、関西出身の人が東京の居酒屋さんに行って肉じゃがを頼むとビックリします。なにしろ、牛肉じゃなく豚肉で肉じゃがを作っているのですから。肉まんも同じですね。東京では肉まん、あんまんと言いますが、大阪では肉まんは豚まんと言います。肉と言えば、牛肉という文化のなかで「肉まん」という名称を使うと「牛肉と違う」というクレームになってしまいそうですね。

大阪の豚まんは東京の方も食べたことがあると思います。新幹線の新大阪駅では行列が出来ていますね。多いときには1日10万個以上製造しているそうです。ところで、あの売場で売っているのは冷凍された豚まん。冷凍するのにも、独自の技術力が生きているようです。

なにしろ、豚まんには分厚い皮の部分があります。あの皮には断熱作用があるので、冷却しても芯まで冷えにくいのです。そのため、蒸したての豚まんを真空冷却して急激に低温にすることで、中までしっかりと冷やしています。つまり、大人気の大阪の味にも真空技術がうまく活かされている、ということですね。

真空があるとないとでは、豚まんの味も変わっていたのかもしれません。そう考えると、少なくとも真空技術があったからこそ、豚まんが冷凍保存できた。そして、冷凍保存できたからこそ大阪土産として全国の人々に愛されるようになったと言えますね。

154「豚まんのおいしさを届けているものの正体は?」
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