#159「真空でクリーンな町をつくりましょう!」

真空にヒントあり

下水道システムが早くから整備された都市部ではあまりないのですが、地方では真空装置を駆使した真空式下水収集システムが利用されています。ものすごく簡単に説明すると、各家庭をバキュームカーが回って汚水を集めるのではなく、地下にバキュームカーのような装置が埋まっていて定期的に汚水を集めて運ぶシステムです。

昔は各家庭のトイレの汚水はバキュームカーでくみ出して、畑の飼料などに使われていました。また、生活排水は近くの河川にそのまま流していたのです。これではクリーンな町作りができません。これらをまとめて集めて排水するシステムが真空式下水道なのです。

真空弁ユニットと真空ステーションを組み合わせた真空式下水道システムにはたくさんのメリットがあります。まず、空気によって汚水が輸送されるため配管を深く埋める必要がなく経費が削減できます。また、マンホールが不要で材料費の削減も実現。さらに、配管の詰まりや漏水などもありません。

日本では人口密度の低い地方に行くほど、下水道の普及が遅れています。その主な原因は利用者が少ないことによる割高なコスト。その点、真空式下水道ならコストを低く抑えることができ、しかも、平坦な地形であれば地盤が悪くても、高低差があっても設置が可能。真空技術が多くの人々に平等にクリーンな環境を提供できるというお話です。

159「真空でクリーンな町をつくりましょう!」
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