#161「いい音色の楽器をお求めやすくするのも真空技術!」

真空にヒントあり

木の温もりっていいですよね。例えば、住宅にもたくさんの材木が使われていますし、音楽を奏でる楽器も木製のものが多いですよね。そんな住宅や楽器などの製造に使われる木材ですが、最初どのように加工すると思いますか? 実は乾燥なのです。乾燥が不完全なままで使用すると、後から乾燥して全体が歪んでしまったり、不具合が出たりします。家だと雨漏りがするかもしれないし、楽器だと音のバランスが崩れてしまいます。

つまり、木材を使用する様々な製造過程で「乾燥」という工程は最も重要なことだと言われているのです。いいものをつくるためには、木材を仕入れてから短くても数ヵ月、長いものだと数年も自然乾燥させなければなりません。しかし、それでは製造までの期間が長くなってしまい、保管しておくための倉庫代などでコストがかさんでしまうのです。

品質を維持し、価格を下げるためには、早く乾燥させればいいのです。そこで真空乾燥装置の出番。木材を入れた装置のなかを減圧して真空状態を作り出します。こうすると木材の内部からの圧力が高くなり、内側からの水分移動が早まるのです。真空乾燥装置は従来の乾燥方式と比較して導入コストは高いですが、生産性は2倍に向上すると言われているのです。保管料などのコストを考えると、これから急速に普及するかもしれませんね。

161「いい音色の楽器をお求めやすくするのも真空技術!」
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