#189「オーロラは真空で光るのです」

真空にヒントあり

オーロラを見たことはありますか? 今の日本ではほとんど見ることはできませんが、1700年代あたりまでは日本でも北海道から九州あたりまでオーロラを見ることができたそうです。現在は条件が整えば北海道で発生することがあるらしいのですが、見ることができるのはよほど運のいい人でしょうね。

やっぱりオーロラを見ようと思うと、北極や南極などの高緯度地域へ行くのが一般的。日本からもオーロラを見るためのツアーが組まれ、参加する人も多いようです。さて、みなさんはオーロラがどうして発生するのかご存じでしょうか。実は、太陽から電子や陽子などの微粒子の流れ(太陽風)が発生し、地球の磁気圏に巻き付いていくという現象が事の発端です。ここで電圧の差が発生し、電子が加速して高層大気の分子に衝突して活性化。これが発光するというのがオーロラの仕組みです。

オーロラの発光する高度は100〜1000キロメートル。つまり、高真空から超高真空という世界でオーロラはあの幻想的な光を放っているのです。

オーロラという言葉の由来は、ローマ神話の女神「アウローラ」から来ていると言われています。数多くの男性を虜にした恋多き女神「アウローラ」の名前をつけられるほどの怪しい輝きに満ちたオーロラ。できれば、一度は見てみたいものですね。みなさんもオーロラを見る機会に恵まれたら、その光は真空のなかで放たれているのだということを思い出してください。そして、くれぐれも怪しい光に魅せられても惑わされないようにしてくださいね。

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