#194「石油を真空で無駄なく使う。」

真空にヒントあり

冬場になると暖かさが恋しくなりますね。エアコンはもちろん、コタツや暖炉、焚き火など、いろんな方法で人は暖を取ってきました。暖を取るためには燃料が必要です。最近では太陽光発電や風力発電なども普及してきましたが、なかでも長い歴史をもっているのが石油などの化石燃料です。もともと自然界にある石油はそのままでは使えません。きちんと蒸留して、各種石油製品ごとに区分けされていくわけですが、ここでも真空技術は使われています。

石油の原油は、黒い粘りのある油です。これを蒸留装置に入れて加熱していきます。すると、温度の低いエリアではLPガス成分、ナフサ成分、灯油成分などが抽出され、最下段には重油成分が抽出されることになります。この重油成分は減圧(つまり真空)状態にしてもう一度抽出を行います。真空にすることで無駄なく重油を分離することができ、そこからガソリン成分、軽油成分、潤滑油成分などが抽出されるのです。

つまり、真空を利用することによって石油原料は無駄なく利用されています。化石燃料は無限ではありません。無駄なく大切つかうことが必要なのです。真空技術で、資源の有効活用ができる。こんなに嬉しいことはありませんね。

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