#213「進化し続ける太陽光発電が未来を変える。」

真空にヒントあり

先日、風力発電に真空技術が活かされているというお話しをご紹介しました。持続可能な世の中を作っていくためにも風力発電は重要な役割を担っています。しかし、日本では風力発電よりも一足先に普及したエネルギーがあります。それが太陽光発電。もしかしたら、みなさんのお宅の屋根にも太陽光発電のシステムが搭載されているかもしれませんね。

実は、この太陽光発電は日々進化を続けています。太陽光発電は太陽の光を受けてそれを電力に変換します。しかし、これまでの太陽光発電では受け取った太陽光を電力に交換する変換効率は15%~20%くらいでした。つまり、せっかく受け取った太陽光を無駄にしてしまっていたわけですね。そのため、世界中の技術者ができるだけ太陽光の活用を100%に近づけようと技術開発に取り組んできました。

日本の東北大学が発表した新たな太陽光発電は太陽電池を透明にすることで、その用途を広げ、普及を加速するのではと期待されています。これまで作られた透明な太陽電池は可視光透過率が60%程度だったのに比べ、なんと80%を越えるそうです。また、透明であることからビルの窓ガラス、車のフロントガラス、眼鏡や人体の皮膚、ビニールハウスにも活用できると期待が高まっています。

この透明な太陽電池は、半透明な酸化物等の薄膜が何層にも重なって出来ています。そして、これ等の薄膜を積み重ねるためには、真空技術が不可欠となります。次の時代の新しい太陽光発電も真空技術が支えているのです。

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