第1回『きっかけはキーホルダー?』

この企画を始めた「きっかけ」って、覚えてますか?

安田さんがやってる「こだわり相談ツアー」でしたよね。

「真空キーホルダー」をつくろう!みたいに盛り上がって。

はい。飲んだ時の盛り上がりが最初でした(笑)

「こんなのできたら凄いな」っていうのがあって。

できるんですか?ていうクエスチョンが最初でしたね。

まさかできるとは思ってなかったですから。

つくることは可能ですねって。

そうでしたね。

なぜ、そんなものをつくろうとするのか、最初は疑問でした。

元々は「新しい形のブランド構築」をしたい、という相談でしたからね。

そうです。だからなぜ「キーホルダー」に行き着いちゃったのかって。

よく私に依頼する気になりましたね?

キーホルダーが出てきたときは、ちょっと分からなくなりましたけど(笑)

ですよね(笑)

じつは安田さんの前の会社でも、お世話になってまして。

そうでしたね。

佐藤真空の80年史をつくっていただいた。そんな関係性もあり、安田さんにご依頼すれば面白い切り口の発想が生まれるのではないか?と思い、こだわり相談ツアーに申し込みました。

そうでしたね。「何か面白いことをやりたい」という感じでしたよね。

従来のHPやカタログとは違う別の切り口のブランディング。

目的は「コミュニティをつくりたい。現在のお客様や業界の仲間だけではなく、もっと関わる人を広げたい」ってことですよね。でも決して、今の仕事がうまくいってないわけじゃない。問い合わせも順調にきているわけで。

そうですね。

ひとつは採用ですよね。いままで会えなかったような人が、来てくれるとか。

採用は大事なポイントです。現在まさに会社として世代交代を進めていくタイミングということもあり、採用についてはかなり真剣に考えています。

こういう人に来てもらいたいとかイメージはあるんですか?

突飛という表現が正しいか分かりませんが、とにかく新たな視点がほしいなと。

仕事に関してはどうなんですか?今までなかった仕事を発掘するとか。

真空の仕事って、安田さんの想像よりも堅い仕事なんです。

真空って、ロマンチックなイメージがありますけど。

実際はお客様のモノづくりの為に必要なスペックに基づいて製品の選定・提案、またそれに基づいて開発、製造を繰り返していきます。

まあ、現場はそうですよね。

ただ、安田さんもそうでしたけど、真空に関わらない人と話すと、逆にすごく面白がってもらえるんですよ。

いや、面白いですよ、真空屋さんって。なかなか無い仕事だと思います。

そういう人と会うたびに、逆に魅力に気づかされます。

やっぱ真空って、ロマンありますよ。

そこに可能性を感じるんですよ。もっと知ってもらえて、面白がってもらえたら、まったく違う人やアイデアが集まってくる可能性がある。

ぜったい集まりますよ。だって面白そうですもん。

仕事にしても、僕らの足元にあって気付かなかったようなアイデアが、何か面白い仕事に繋がればいいなって。

そのために、既存のパンフやHPとはまったく違う、新たな何かをつくろうと。そういう感じでしたよね。

そうです。新しい何か。

ちょっとした変更やリニューアルではなく、これまでと全く違う概念のもの。

まさに、それですね。今のビジネスとは違う視点。僕らの仕事を知ってもらって、参加者、協力者を増やしたい。その為に必要な発信をしたいと思いました。

今まではブランディングに対して何かアクションをされていたんですか?

今までは「正攻法のブランディング」を進めてきました。小冊子を作ったり、HPや別の専門サイトを作ったり、展示会に出展したり。

それはうまく行ってなかったんですか?

いえ、そういうアクションを繰り返したことで業界の中での知名度やブランドイメージは高くなったと思います。

実際、問い合わせもたくさん来るんですよね?

はい。当社のHPはPV数で約30,000、問合せは月に約30~40件はが来ます。

ブランド力がなかったわけではなく、真空業界、とくに真空ポンプではブランドが確立されている。でもそれを超えたいと?

ある意味、ブランド外の人たちへの発信。

ブランド外の人たち?

たとえば、うちのビジネスはBtoBが主でBtoCはほぼありません。そういった壁も超えていろんな人に関わっていただきたい。

なるほど。

そういう意味で、安田さんの「キーホルダー」に興味を持ったわけです。

ただの飲んだ勢いじゃなかったんですね(笑)

もちろんです(笑)。ただ、単にキーホルダーを作っても、売れるとは思えない。

そうでしょうね。何かコンセプトが必要ですよね。

そうなんです。コンセプトとかキーワードとか何か引っかかるものが必要。それをきっかけにたくさんの人がファンになってくれて「面白いね、この会社」に繋がるのかなと。
~ 第2回へ続く ~
メディア誕生ストーリー
第1回「 きっかけはキーホルダー? 」 ※本記事
第2回「水は70℃で沸騰する」
第3回「余計なものをかきだすメディア 」2019/5/16公開
第4回「曲がって見える直球 」2019/5/23公開