真空メディア誕生 第4回

真空メディア誕生

第4回『 曲がって見える直球 』

境目研究家・安田佳生と、『水は70℃で沸騰する』編集長である佐藤真空株式会社・佐藤嘉紀による真空メディア誕生秘話。「なぜ、お堅い真空機器メーカーがウェブマガジンを発行することになったのか」これを読めば見えてくる!?
yasuda
安田

常識や先入観を、頭の中からかき出すメディア。それがテーマですよね?

sato

佐藤

はい。そこを目指してつくっていきたいです。

yasuda

安田

でも実際、「常識をかき出す」って簡単じゃないですよね。

sato

佐藤

そこが難しいところですね。「こうやったら、かき出せる」という答えがあるわけじゃないので。

yasuda

安田

まあ、試行錯誤の連続になるとは思うんですけど。今考えているコンテンツについて、ちょっと教えてください。

sato

佐藤

はい。

yasuda

安田

まず、「真空にヒントあり」というコンテンツ。

sato

佐藤

たとえば、このマガジンの名前もそうですけど、みんな「水は100℃で沸騰する」と思い込んでるじゃないですか。

yasuda

安田

学校でそう習いますからね。

sato

佐藤

でも実際には、100℃で沸騰するとは限らないんですよ。現にエベレストの頂上では70℃で沸騰します。

yasuda

安田

単なる先入観に過ぎないと。

sato

佐藤

そうです。地球の、それも条件を満たしたときの常識にすぎない。そういう事ってたくさんあるじゃないですか。

yasuda

安田

ありますよね。

sato

佐藤

真空を通じて、そういう常識を疑っていきたいと思ってます。

yasuda

安田

なるほど。分かりました。では次に「非常識列伝」。これはどういうコンテンツですか?

sato

佐藤

「勤勉で真面目であること」はいい事だって、多くの人が思ってるじゃないですか?

yasuda

安田

まあ、一般的にはそうですよね。

sato

佐藤

でも人類の歴史って、かなり変人によってつくられてると思うんです。

yasuda

安田

変人?

sato

佐藤

その時代の常識に縛られない人。つまり、その時代の非常識人ってことですね。

yasuda

安田

それを紹介していくコーナー?

sato

佐藤

そうです。非常識人がつくった歴史物語を紹介して、非常識の価値を知ってもらいたい。

yasuda

安田

分かりました。で、一番わからないのが「マンガ禅問答」というコンテンツなんですけど。

sato

佐藤

(笑)やっぱり分かりませんか?

yasuda

安田

このメディア「一体、何がやりたいんだろう?」ってなりますよね。

sato

佐藤

ちょっとシュールな描き方をしてるんですけど、根本はシンプルなんですよ。

yasuda

安田

それはどのような?

sato

佐藤

これも、テーマは「自分のなかの常識を疑う」っていうこと。

yasuda

安田

そこは他のコンテンツと同じで、一貫しているわけですね。

sato

佐藤

はい。真面目なコンテンツだけでは面白くないので、ちょっと遊び心のあるコンテンツにしています。

yasuda

安田

答えがあるような、ないような、ちょっと分からない。

sato

佐藤

構造はシンプルで「常識をかかえている人物」と「疑っている人物」の対話になってます。

yasuda

安田

それが禅問答という形になっていると。

sato

佐藤

厳密には禅問答ではないんですけど「真空和尚」と「常識小坊主」という設定にしてます

yasuda

安田

真空和尚?

sato

佐藤

真空和尚から常識に対する「問いかけ」があって、小坊主は自分の中の知識から答えるんですけど、それが本当なのかと。

yasuda

安田

正解はあるんですか?

sato

佐藤

いや、正解は分かりません。読んだ方々に「自分の中の常識って本当なのかな」と疑問を持ってもらうことが目的です。

yasuda

安田

なるほど。じゃあ、答えを見つけることがゴールではない?

sato

佐藤

むしろ答えを否定することがゴールですね。なのでモヤモヤすると思います。

yasuda

安田

それでいいんだと。

sato

佐藤

はい。現代人は、すぐに答えを求める癖がついているので。あえてモヤモヤをゴールにしてます。

yasuda

安田

「ただふざけているだけじゃないか」と思われる気もするんですけど。

sato

佐藤

一度立ち止まってもらう。そこに価値があると思ってます。

yasuda

安田

すごく難しいですけど。「考えることを考える」とか「考えることを考えない」とか。

sato

佐藤

ややこしいですね(笑)

yasuda

安田

まあ、誰もやったことがないので。

sato

佐藤

そうですね。

yasuda

安田

頭の中の常識や知識をかき出したら、最後に何が起こるんでしょうね?

sato

佐藤

分かりません。でも真空ポンプでそれが出来たらすごく画期的ですよね。

yasuda

安田

本当に常識を超えちゃって「とんでもない事業」を社員さんが考えたり、「想定していない変人」が応募してきたりするかもしれないですよ。

sato

佐藤

まぁ、ある意味では望むところです(笑)

yasuda

安田

ホントですか?

sato

佐藤

僕らの本業である真空ポンプや真空装置の魅力を再発見する機会にもなりますし、そこから離れて、なんかこう突飛なことに挑戦したいっていう気持ちもあります。

yasuda

安田

私は実際に「真空キーホルダー」とか「真空コースター」とかもつくって欲しいです。

sato

佐藤

技術的には作れると思いますよ。

yasuda

安田

人間って、分かっていても、つい常識で考えちゃうじゃないですか。

sato

佐藤

はい。

yasuda

安田

そういうときに、気づくきっかけというか。

sato

佐藤

そうなってくれるといいですね。

yasuda

安田

それに真空を持ち歩くって、宇宙を持ち歩いているみたいで、なんかロマンがあるじゃないですか。

sato

佐藤

まぁ、本当にキーホルダーをつくるかもしれないし、このウェブマガジンをきっかけに新しいコミュニティができて、また違う発想が生まれるかもしれない。

yasuda

安田

何ができるかは、まだ未知数ってことですね?

sato

佐藤

ゴールが決まってたら、このメディア自体の意味がないので。

yasuda

安田

確かにそうですね。

sato

佐藤

何かが生まれるプロセスを、このウェブマガジンで見せられたらいいなと思います。

yasuda

安田

すごく楽しみですね。でも不安もあるでしょう?

sato

佐藤

もうここまで来たら、旅路を楽しもうかと。

yasuda

安田

達観してますね。

sato

佐藤

いや、そうじゃないんです。このウェブマガジンってすごく変化球に見えますよね?

yasuda

安田

はい。曲がりくねって見えます。

sato

佐藤

でもそんなことないと思うんですよ。実は心のどこかでみんな「何かおかしい」って感じてる。

yasuda

安田

その疑問に、正面からぶつかっているだけだと?

sato

佐藤

私の中で変化球を投げている気はないんです。

yasuda

安田

直球勝負をしている感じ?

sato

佐藤

はい。私にとっての直球勝負ですね。

メディア誕生ストーリー
第1回「 きっかけはキーホルダー? 」
第2回「水は70℃で沸騰する」
第3回「余計なものをかきだすメディア」
第4回「曲がって見える直球」※本記事

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