#139「世界一のお金持ちは、空気を読まない経営者」ビル・ゲイツ

非常識人列伝

世界を動かした非常識人列伝 第139話

ビル・ゲイツ(1955年〜)
マイクロソフトの創業者、技術者

Windowsでパーソナルコンピュータの普及を加速させたマイクロソフト。その創業者がビル・ゲイツです。彼の功績は枚挙に暇がありませんが、やはり専門家が使っていたコンピュータをパーソナルコンピュータとして普及させたという功績が最大のものだと言えます。しかし、なぜそれがゲイツに可能だったのか。それは、彼自身の「私はものごとをとことん突き詰めるのが好きなんだ。そうすれば、たいてい良い結果が出るから」という言葉に表れています。

高校生の頃から、ゲイツはコンピュータのプログラミングに興味を持ち始めました。そして、より高度なプログラムのソースコードを求めて、ポール・アレン(後のマイクロソフト共同創業者)と共に始めたのがゴミあさり。連日、夜が更けると二人は公共の巨大ゴミ箱に潜入して、コンピュータの情報やソースコードがないか、ゴミあさりをしていたそうです。

また、この頃からハッキングにも手を出しています。高校のコンピュータを無料で使用するために、学校が契約しているリース会社のアカウントファイルをハッキング。内緒でアクセスし始めたのです。そういえば、先生に「授業の時間割作成プログラム」のアルバイトを頼まれたのもこの頃。ゲイツは、一生懸命に手伝っているふりをしながら、自分が受ける授業に気になる女の子が集まるように細工をしたそうです。

自分がやりたいことに対しては、人目を気にしない、空気を読まない人だったのかもしれません。つまり、それはゲイツが天才肌の人間だったという証明なのかもしれませんね。パーソナルコンピュータのもう一人の雄と言えばスティーブ・ジョブズですが、ゲイツとジョブズは常に敵対していたわけではありません。ゲイツがMac向けのソフトを開発したり、互いに頻繁に行き来していた時期もあります。

それでも、ジョブズが「WindowsはMacのパクリだ」と批判すると、ゲイツが「ゼロックスが近くにあって、先に盗みに入ったのが君だっただけじゃないか」と反撃。互いに尊敬しあいながら、戦いながらパーソナルコンピュータの世界を深く豊かに広げていったのです。そんな関係だったからこそ、ジョブズが亡くなった時、ゲイツは「本当に切磋琢磨した競争相手であったけれど、彼が僕に言ったことで、僕が腹を立てたことなんてひとつもないんだ」と話したそうです。

世界一の資産家となったビル・ゲイツのカリスマ性と、人としての謙虚さを見た思いがしますね。

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