#131「パラリンピックは真空技術で進化しています。」

真空にヒントあり

秋も深まり、そろそろ冬を迎えようという季節になりました。この時期になると、なにかスポーツを始めようという人が増えるようです。特に今年はコロナ禍を乗り越えて東京オリンピック・パラリンピックが開催されたので、余計にスポーツに注目が集まったのかもしれません。

なかでもパラリンピックの競技には感動した方は多いのではないでしょうか。22競技539種目で熱戦が繰り広げられましたが、パラリンピックには高性能な道具が必要です。例えば、競技用の車椅子。これは別名、レーサーと呼ばれている高性能なものです。前輪と後輪があり、後輪にはそれよりもひとまわり小さなハンドリムが取り付けられています。これを自在に操って選手たちは多くのメダルを獲得しました。

そんな車椅子のなかでも陸上用のものはフレームにカーボンファイバーを用いたものが主流になっています。さて、ここでも真空技術が活かされています。軽量で強靱なカーボンファイバー繊維を編んで、エポキシ系の樹脂を含ませ浸透させるのですが、この時、真空にすることでより素早く深く隅々まで樹脂が浸透。品質の高いカーボンファイバーで出来た部品が完成するのです。

しかし、パラリンピック用の車椅子はそれだけで完成するのではありません。競技に合わせ、選手にあわせてサイズや角度を微妙に調整し、それぞれのパフォーマンスを上げていくのです。そこには職人たちの細やかな手仕事が必要になります。次のパラリンピックは2024年のパリで開催される予定です。おそらく、私たちはコロナを乗り越え、新しい希望を胸に次のパラリンピックを迎えているはず。その希望を私たちの真空技術が支えているのだということに誇りを持ちたいと思います。

131「パラリンピックは真空技術で進化しています。」

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