#139「除夜の鐘がうるさい?」

真空にヒントあり

年の瀬になるとなにかと気ぜわしくなります。12月31日の大晦日から元日、たった一日、時間が過ぎるだけなのにどうしてなんでしょうね。一休さんも言ってるじゃないですか。「門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもありめでたくもなし」って。でも、一休さんのように悟りをひらけない私たちは、どうしても「せっかくだから大掃除をして綺麗にしてから新年を迎えよう」とか、「歌合戦が始まるまでにお風呂に入っちゃおう」とか、いろいろ考えてしまいます。世の中がそんな感じですから、知らず知らずみんなが右往左往してしまうのかもしれませんね。

さて、そんな私たちの気持ちをシンと落ち着かせてくれるのが除夜の鐘。近所のお寺から、テレビの中継から、ゴ〜ン…という荘厳な鐘の音が響き渡ります。でも、最近ではそんな除夜の鐘の音がうるさいという苦情が来たりするそうです。なかなか世知辛い世の中ですね。苦情を受け入れて除夜の鐘を叩かないというお寺もあるそうですが、そういうお寺の和尚さんはストレスが貯まることでしょう。

そこで考えてみました。和尚さんがストレスなく思う存分除夜の鐘を叩くことができて、周囲の人たちもその音に悩まされない。そんなことができる場所があるんだろうか、と。ありました!見つけました!宇宙です。月面に櫓(やぐら)を組んで、そこに大きな鐘を吊すのです。で、スペースシャトルで和尚さんに宇宙に行ってもらって、思う存分除夜の鐘を叩いてもらうのです。だって、宇宙は真空ですからね。音は空気の振動なので、真空の宇宙だと音が響きません。これなら、誰からも苦情は来ないはずです。

でもまあ、これで解決だ!と言ってしまうと、やっぱり寂しい。除夜の鐘の聞こえない大晦日なんて…。除夜の鐘は108回。同じ数ある人間の煩悩を払うという意味もあります。つまり、除夜の鐘には、新しい年を迎えるために余計なものを取り除く真空ポンプのような役割があるのです。

今年も鐘の音で雑念を洗い流し、まっさらな真空状態で新年を迎えましょう!

139「除夜の鐘がうるさい?」
タイトルとURLをコピーしました