#144「家を暑さや寒さから守るのは真空技術」

真空にヒントあり

寒い季節。雪が降っている屋外から家の中に入ると、ほっと一息付けますね。逆に太陽が照りつけるような日に、家の中に入ってエアコンを付ければ、生きた心地がするというものです。つまり、住まいは私たちを暑さや寒さから守ってくれる、という重要な役割を果たしてくれているということになります。

昔の日本家屋は湿気を上手に逃すために、隙間が多く、多少冷暖房効率を犠牲にしているところがありました。しかし、昨今の地球温暖化により、夏は極端に暑く、家の中にいても熱中症になるような有様。より冷暖房の効果がある、省エネルギーな住宅が望まれるようになりました。そのために必要なことは、住まいそのものの断熱効果を良くすること。具体的には家の中と外の熱が行ったり来たりすることを防ぐことが大切です。外がいくら寒くても、それが家の中に伝わってこなければいいわけですし、外がいくら暑くてもその熱が家の中に伝わらなければエアコンも効率よく使えます。

では、住まいを断熱するためにどうすればいいでしょう。もしかしたら、勘のいい人は、温かいお茶を持ち歩く魔法瓶を思い出したかもしれませんね。その通りです。家を魔法瓶のような壁で包んでしまえば、断熱効果のいい省エネルギーな住まいが出来上がります。魔法瓶の仕組みは簡単に言えば、真空で熱の移動を遮断するというもの。熱の伝導は気体や液体によって起こるので、真空であれば熱は伝わりません。つまり、住まいを真空断熱材で覆ってしまえばいいのです。具体的には従来から使用されているウレタンやグラスウールに加えて、内部を真空にした真空断熱材を使用して、断熱効果を上げています。

大手住宅メーカーが開発した真空断熱材は、厚さわずか4mmで、100mmのグラスウールに匹敵する断熱効果を発揮。住宅用だけでは無く、宇宙に旅立つ宇宙飛行士のジャンパーにも利用されているそうですよ。

144「家を暑さや寒さから守るのは真空技術」
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