#199「真空で動くエレベーターはオシャレで便利」

真空にヒントあり

高齢化する社会の中で、バリアフリーは最優先課題となっています。鉄道などの交通機関はエレベーターや点字ブロックを導入し、ハンディのある人たちにも快適で安全な日常を提供しようとしています。もちろん、一般の家庭でも手すりなどは付けることはできますが、さすがにエレベーターを取り付けるのはハードルが高いですね。価格の高さや設置の難しさもさることながら、定期的なメンテナンスも必要になるため、なかなか設置できないようです。

でも、安心してください。遙かな国、アルゼンチンから朗報です。設置も簡単で、定期メンテナンスも不要だという夢のような真空式のエレベーターがアルゼンチンで開発されました。すでにアルゼンチンでは数百という設置例があるそうです。

このエレベーターの原理を説明します。まず、ポリカーボネートとアルミニウムでできた円い筒を1階から2階に立てます。この中に移動用のカゴを置き、この円筒の天井部に真空発生装置を設置します。カゴの上部の真空発生器を駆動するとカゴの上の空間が減圧されます。減圧されたカゴの上の空間と大気圧のカゴとの空気圧の差で上に動くのです。下りは真空発生装置をとめ、開放するとカゴの自重で下降します。空気圧によってカゴを吸い上げていると考えてください。つまり、掃除機の原理と同じ。大規模な設置工事や定期メンテナンスが不要な真空エレベーターは、これからのバリアフリー推進の立役者になるかもしれませんね。

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