#246「鉄の女と呼ばれたイギリスの首相」マーガレット・サッチャー

非常識人列伝

世界を動かした非常識人列伝246話

マーガレット・サッチャー(1925〜2013)
イギリスの政治家

マーガレット・サッチャーは1979年にイギリスの首相に就任しました。女性で初めて首相になった人物です。サッチャーは新自由主義に基づいた政策を次々と断行しました。電話やガス、水道、空港などのライフラインを民営化し、規制緩和と金融改革を実施。反対派を抑え込む強硬な手法によって「鉄の女」と呼ばれるようになりました。

サッチャーの心の拠り所は、父の教えにありました。父のアルフレッドは市長も務めたことがある名士でしたが、「質素倹約」「自己責任・自助努力」の精神を重んじる人でした。その精神は娘のサッチャーにも強く引き継がれました。サッチャーは後に「人として必要なことは、すべて父から学んだのよ」と語るほどでした。

実際、鉄の女と呼ばれ、国内を二分するほど評価の分かれたサッチャーですが、その政策を見ていくと、確かに父親からの教えをもとにしていることがよくわかります。フォークランド紛争では「どんなに小さな領土であっても、我が領土は人命に代えてでも守らなければならない」とフォークランドを奪還。また、ユーロの加盟に関してもそれぞれの国が自助努力することが最優先だと、懐疑的であるという立場を貫きました。

サッチャーが亡くなった今も、彼女の過去の仕事に対する評価は大きく二分しています。しかし、それは彼女がさまざまな課題に真正面から切り込んでいった証拠なのかもしれません。また、日和見的な手法をとることなく、信念を大切にしたからこそ成し得た功績であり功罪であったということが言えるでしょう。

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