強面の役者さんがグイッと飲み干して「まずい!」とつぶやくコマーシャルをイメージされる方も多い青汁。健康のために飲んでいるという方もいらっしゃるかもしれませんね。青汁は、大麦若葉やケール、ゴーヤなど植物繊維の多い葉物を原料に作られています。これを乾燥させ、粉末にして袋に小分けしているわけですが、その生産は凍結乾燥という方法が用いられています。
日本では古くから凍結乾燥(フリーズドライ)で食品加工が行われてきました。その代表が高野豆腐です。高野豆腐は寒気の中にさらすことで水分を飛ばし乾燥させていました。しかし、現在のフリーズドライは真空凍結乾燥を利用して、より効率よく安定した生産が可能です。
青汁の場合は、まず原料となる野菜を粉砕してしぼり、液と繊維状にします。これをまず、マイナス40℃くらいにして凍結。その後、真空の状態にして氷から昇華(※)してくる水分を排気し続けます。こうすると、最後に、水分がすっかり抜けた青菜の繊維が残るというわけです。そして、この繊維を細かく粉末にすると製品が出来上がります。
真空凍結乾燥によって作られる食品は、他にもインスタントラーメンやインスタントコーヒーなどなど、数多くあります。この方法だと加熱することなく製造できますので、水分を与えるとほぼ元の状態に復元できる、ということが最大の特徴です。
※昇華‥固体が液体になることなく、直接気体になること。