#27 「すべてが規格外のキング・オブ・ポップ!」マイケル・ジャクソン

非常識人列伝

世界を動かした非常識人列伝 第27話

マイケル・ジャクソン(1958年〜2009年)
グラミー賞を13回受賞したアメリカのエンターテイナー

マイケル・ジャクソンが史上最も売れたアーティストであることに異論はないでしょう。全世界で売れたアルバムとシングルは3億枚から3億5000万枚と言われています。グラミー賞は13回受賞。ノミネートにいたってはなんと38回。まだ子どもだった時代から、兄弟たちと一緒にジャクソン5を結成し、ヒット曲を連発しました。その後、クインシー・ジョーンズをプロデューサーに迎えて制作した『Off The Wall』で全米TOP10入り、続く『Thriller』も世界的なヒットを記録しました。

富と名声を得たマイケルですが、決してすべてが順風満帆というわけではありませんでした。ステージで鼻筋を強打し、のちに整形を余儀なくされたり、CMの撮影中に火傷を負ってしまったり、肌が白くなってしまう尋常性白斑という病気に罹患したり。

しかし、マイケルは自分自身の曲と、それを聴いてくれる聴衆を本当に大切にしました。ミュージックビデオが流行し始めたばかりの頃、映画監督ジョン・ランディスを招いて、本格的なショートムービーを制作。そのこだわりと完成度の高さから、この作品はミュージックビデオとしては唯一、アメリカ議会図書館に永久保存されています。他にもダンスの途中で斜め45度に身体を傾けることができる装置「ゼロ・グラヴィティ」を開発。特許まで取得しています。

また、マイケルは自分自身に過酷なトレーニングを課すことでも知られていました。5秒のパートを歌うために、1時間のウォーミングアップを欠かさなかったり、日頃から広い声域を守るために、いつも高い声で話していたという話は有名です。

マイケル・ジャクソンの人生は、有名人故のさまざまなトラブルや疑惑、ゴシップに追いかけられたものだったと言えるでしょう。しかし、いま振り返って見ると、マイケルがこれほど必死に歌声をキープし、ダンスの質を高めようとしていたのは、唯一、確かな手応えを感じることができる観客との繋がりを維持するためだったのかもしれませんね。

タイトルとURLをコピーしました