#52 「フランスの聖人であり救世主」ジャンヌ・ダルク

非常識人列伝

世界を動かした非常識人列伝 第52話

ジャンヌ・ダルク (1412年〜1431年)
百年戦争でフランス軍を率いた女性

フランスでは現在でも国民的なヒロインであり、救世主として愛されているジャンヌ・ダルク。百年戦争の時に、フランス軍を率いた指揮官として知られています。しかし、そもそもなぜ少女が指揮官となったのか、ジャンヌ・ダルクとは何者なのかはあまり知られていないのではないでしょうか。

ジャンヌ・ダルクはフランスの小さな農村に生まれた少女でした。彼女が18歳の時、フランスはイングランドと百年戦争の真っ最中。この百年戦争に指揮官として参戦し、「オルレアン包囲線」でイングランド軍に勝利したことで、ジャンヌ・ダルクは一躍有名になりました。

しかし、なぜ、18歳の少女がフランス軍の指揮官になったのでしょう。実は12歳の頃からジャンヌは「神の声」を聞くようになったと言われています。その中に次のような声も含まれていたそうです。『シャルル7世に会いなさい。そして、イングランド軍を撃退する許可をもらい、シャルル7世をフランス王にするのです』と。そして、ジャンヌは苦難を乗り越えシャルル7世に謁見。シャルル7世も最初は信じていませんでしたが、身分を隠し、人混みに紛れている自分を正確に見分けたジャンヌに唯ならぬものを感じて神学者たちの査問にかけ、純粋で敬虔な人物であると結論づけたのです。

その後、ジャンヌはフランス軍の指揮官としてオルレアン包囲線で勝利。シャルル7世も無事に王位を継承しました。しかし、イングランドと通じていた一派によってジャンヌは捕虜として捉えられ、後に火あぶりの刑に処されたのです。この時の裁判は理不尽な物でしたが、裁判の過程は詳細に記録に残されました。その結果、500年以上前のジャンヌの生涯が事細かに後生に伝えられるという皮肉な結果になったのです。

18歳でフランス軍の指揮官となり、19歳で火あぶりの刑に処されたジャンヌ・ダルク。謎めいた神の声の存在とともに、その生涯は波瀾万丈でしたが、フランス国民にとって救世主であることにいまも変わりはありません。

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