#73「ロマン派音楽の先駆けと言われた大作曲家」ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

非常識人列伝

世界を動かした非常識人列伝 第73話

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770年〜1827年)
ドイツの作曲家・ピアニスト

ベートーヴェンはドイツに生まれました。元々宮廷歌手の家系であったそうですが、父親が無類の酒好きであったせいで貧しい生活を強いられていたそうです。しかし、幼いころから父に音楽のスパルタ教育を受けたベートーヴェンは、ピアニストとして頭角を現します。

しかし、20代の後半から持病による難聴となり、28歳の頃にはほとんど聞こえないほどになっていたと言います。音楽家として聴覚を失うということは、死にも等しい状況。ベートーヴェンも死を覚悟したほどに絶望します。そんなピアニストとしてのベートーヴェンを救ったのは曲作りでした。1804年に発表した交響曲第3番から、その後10年間にベートーヴェンは代表作を次々と輩出。ロマン・ロランはこの10年をベートーヴェンにとっての傑作の森だと称しました。

40歳の頃には耳は完全に聞こえなくなり、その他の持病も併発。苦悩の日々を送りますがそんな中でもベートーヴェンは後世に残る交響曲第9番などの大作、ピアノソナタや弦楽四重奏など数多くの作品を次々と発表したのでした。

聴覚を失ってからも名作を次々に発表したところから、神格化されることの多いベートーヴェンですが、本人はいたって繊細で、どちらかというと神経質なところもあったようです。コーヒーは必ず豆60粒で淹れる。また、日に何度も手を洗う潔癖性でもありました。

そんな潔癖性は曲作りに対しても同じでした。ひとつの曲を作るのにとことんまで悩み、納得のいくまで突き詰めていく。だからこそ「苦悩を突き抜ければ歓喜にいたる」という言葉を遺しているのでしょう。そして、耳が聞こえなくなってもなお音楽と共に生きたベートーヴェンらしい言葉にも聞こえますね。

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