#95「絵も描けた天才が夢見た未来」レオナルド・ダ・ヴィンチ

非常識人列伝

世界を動かした非常識人列伝 第95話

レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452年〜1519年)
イタリア、ルネサンス期の芸術家

モナ・リザで知られるイタリア・ルネサンスの芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチ。彼は子どもの頃から絵の巧さで知られていたそうです。14歳で弟子入りした工房でもどんどん腕を上げたと言います。そんな時、工房に入ってきた依頼が『キリストの洗礼』でした。師匠であるヴェロッキオとともに2人で作品を仕上げたダ・ヴィンチ。しかし、ダ・ヴィンチの力量が大きく師匠を上回ってしまった結果、ヴェロッキオはその後二度と絵を描かなくなったと言います。

しかし、ダ・ヴィンチにとって絵は、様々な才能のうちのひとつでした。ミラノに移ってからは絵だけではなく彫刻を作り、軍事技術者として仕事をしたり。他にもヘリコプターの原型を作ったり、パラシュートのようなものを作ったりと幅広い才能を発揮してるのです。

つまり、ダ・ヴィンチはただの絵描きではなかったのです。絵を描けば『最後の晩餐』や『モナ・リザ』など、現代まで伝えられる傑作を描き、研究を始めれば太陽エネルギーや計算機の理論を考え、建築まで手がけていました。

芸術家でありながら、新しいものに次々と挑む革命家でもあったダ・ヴィンチですが、それ故の失敗もありました。例えば、ダ・ヴィンチの代表作のひとつと言われている『最後の晩餐』。素晴らしい描写で高く評価されている『最後の晩餐』ですが、実は描いている最中から絵の具が剥がれるなどの危機に見舞われたのです。その理由はダ・ヴィンチが新しい技法にこだわりすぎたからと言われています。

そこまでしてダ・ヴィンチが表現しようとしたものはなんだったのか。それは芸術や科学を複合した、彼自身が夢見ていた未来を形にするための作業だったのかもしれません。ダ・ヴィンチが夢見た未来? それはモナ・リザの微笑みのように謎めいています。

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